ハイエースのキャンピングカーで後悔しないための選び方と注意点

トヨタ ハイエースのキャンピングカーは人気が高く、多くの人が憧れるモデルですが、実際に購入してから「思っていたより使いにくい」と後悔するケースも少なくありません。特に、普段使いのしにくさや設備の制限、コスト面での問題が購入後の不満につながることがあります。

ハイエースのキャンピングカーはバンコンとして優れた選択肢ですが、室内高や走行性能などの特徴を理解せずに購入すると失敗しやすくなります。また、新車は安いとは言えず、装備を充実させると1,000万円近くになることもあります。そのため、中古車を選ぶべきか、新車を検討すべきか、慎重な判断が必要です。

さらに、トイレ付きモデルが少なく、長距離移動や車中泊の快適性に影響を与える点も見逃せません。特に、トイファクトリーのような人気ビルダーのモデルは高品質ですが、その分価格が高く、納車までの期間が長くなる傾向があります。

ハイエースのキャンピングカーを購入する際には、「何年乗れるのか」「普段使いできるのか」「後悔しないためのポイントは何か」といった点を事前に確認することが大切です。本記事では、ハイエースのキャンピングカーに関する後悔しやすいポイントや、失敗しないための選び方について詳しく解説します。

ハイエースのキャンピングカーが後悔しやすいポイントとは

普段使いしにくい点とは？

ハイエースのキャンピングカーは、アウトドアや車中泊に適した設計になっていますが、日常的な利用には不便を感じる場面もあります。

まず、車体サイズが大きいことが挙げられます。特にワイドボディやハイルーフ仕様のモデルは、高さや横幅があるため、立体駐車場に入れないことが多く、スーパーや商業施設での駐車が難しくなる場合があります。また、小回りが利きにくいため、狭い道路や住宅街での運転にストレスを感じることも少なくありません。

次に、燃費の悪さも問題になります。ハイエース自体は商用車としての耐久性が高いものの、キャンピングカー仕様になると重量が増し、燃費が悪化しがちです。日常的に使用するとガソリン代の負担が大きくなり、ランニングコストがかさむ点は見落とせません。

さらに、シートアレンジの手間も普段使いに影響します。キャンピングカー仕様では、ダイネット（リビングスペース）やベッドスペースを備えたレイアウトが主流です。そのため、家族で外出する際に通常の座席配置に戻す作業が必要になる場合があり、頻繁な乗り降りをするには手間がかかることもあります。

これらの点から、ハイエースのキャンピングカーは普段使いには向いていない部分が多いですが、用途をしっかり考えて選ぶことで、ライフスタイルに合った活用が可能です。

バンコンのメリットとデメリットを比較

バンコン（バン・コンバージョン）は、ハイエースやキャラバンといった商用バンをベースにしたキャンピングカーのことを指します。使い勝手の良さや手頃なサイズ感から人気を集めていますが、メリットとデメリットを理解した上で選ぶことが大切です。

メリット

デメリット

バンコンはコンパクトながらも快適に過ごせる設計が魅力ですが、利用シーンに応じた選択が重要です。

トイファクトリーのキャンピングカーは実際どうなの？

「出典：Toy-Factory」

トイファクトリーは、日本のキャンピングカービルダーの中でも高い人気を誇るメーカーです。高品質な内装と使い勝手の良い設計が特徴ですが、購入を検討する際には、メリットと注意点を理解しておくことが大切です。

トイファクトリーのメリット

1. デザインと品質が優れている
トイファクトリーのキャンピングカーは、シンプルで洗練されたデザインが特徴です。木目調の落ち着いた内装や、機能的な家具配置が施されており、高級感があります。

2. 断熱性が高い
標準で高断熱仕様になっているため、寒冷地や夏場の使用にも適しています。エアコンやFFヒーターを追加することで、さらに快適性を高めることが可能です。

3. レイアウトの自由度が高い
シートアレンジや収納スペースの工夫がされており、使い勝手の良い設計が魅力です。ファミリー向けのモデルからソロキャンパー向けのモデルまで、幅広いラインナップが揃っています。

トイファクトリーの注意点

1. 価格が高め
トイファクトリーのキャンピングカーは高品質な分、価格も高めです。フル装備のモデルでは1,000万円近くなることもあり、予算をしっかり考えて選ぶ必要があります。

2. 納車まで時間がかかる
人気の高さから納車待ちの期間が長くなることが多いです。特に人気モデルでは1年以上待つケースもあるため、早めの予約が推奨されます。

3. 標準でトイレが付いていないモデルが多い
長距離旅行や車中泊をメインに考えている場合、トイレの有無は重要です。トイファクトリーのキャンピングカーは、トイレ付きモデルが限られているため、必要な場合はオプション対応を検討する必要があります。

トイレ付きモデルは後悔しにくい？

キャンピングカーを選ぶ際、トイレの有無は大きなポイントになります。トイレ付きのモデルを選ぶことで、車中泊の快適性が向上する一方で、デメリットも存在します。

トイレ付きモデルのメリット

1. 深夜や悪天候時に便利
夜間や雨の日に外のトイレを探さなくて済むため、特に家族連れには重宝されます。

2. 長距離移動時の安心感
渋滞中やトイレ休憩のタイミングが合わない時でも、車内で済ませられるため、スケジュールの自由度が増します。

トイレ付きモデルのデメリット

1. スペースを取る
室内にトイレを設置すると、収納スペースが減るため、狭さを感じることがあります。

2. メンテナンスが必要
トイレの処理や消臭対策が必要なため、手間が増えることも考慮する必要があります。

キャンピングカーの用途に応じて、トイレ付きモデルの必要性を判断するのが大切です。

ハイエースのキャンピングカーで後悔を防ぐ選び方

人気のバンコンでも後悔する？ポイントを解説

バンコンはキャンピングカーの中でも人気の高いカテゴリーですが、購入後に後悔する人も少なくありません。主な理由は、用途とのミスマッチや、実際の使用環境での不便さに気づくことにあります。

1. 室内の高さが不十分

バンコンの多くは、ハイエースなどの商用バンをベースにしているため、室内高が約160cm程度しかありません。そのため、大人が立ったまま移動することが難しく、長時間の車内生活では中腰の姿勢を強いられることが多くなります。

2. ベッドスペースの制約

キャンピングカーでは快適な睡眠が重要ですが、バンコンは車幅の関係で横向きのベッドは約180cmほどに限られます。身長の高い人には窮屈に感じられ、縦向きベッドを確保するにはダイニングスペースを犠牲にしなければなりません。

3. トイレ設備の欠如

バンコンの多くはトイレを標準装備していません。ポータブルトイレを追加することは可能ですが、使用時のスペース確保や処理の手間を考えると、長距離の車中泊やファミリーユースでは不便さを感じることもあるでしょう。

4. 価格がキャブコンと変わらないことも

バンコンは車両価格に加えて、内装の架装費用が加算されます。フルオプションのモデルでは、キャブコンと変わらない価格になることもあり、「それならば最初からキャブコンを選べばよかった」と後悔する人も少なくありません。

バンコンの人気は高いですが、用途に合った選び方をしないと後悔する可能性があります。購入前にレンタルなどで実際に使用感を試すことをおすすめします。

新車は安い？コスト面の注意点

「出典：TOYOTA」

ハイエースのキャンピングカーを購入する際、「新車の方が安いのでは？」と考える人もいます。しかし、新車と中古車ではコスト面での違いがあり、注意すべき点がいくつかあります。

1. 新車価格は高騰傾向にある

近年、キャンピングカー市場の人気上昇に伴い、新車価格が高騰しています。特にハイエースベースのバンコンは、架装部分のコストが加算されるため、フル装備のモデルでは1,000万円近くになることもあります。

2. オプション費用がかさむ

新車を購入する場合、快適な車中泊をするためのオプションを追加する必要があります。例えば、サブバッテリーやエアコン、断熱加工、トイレ設備などを選択すると、総額が大幅に上がることがあります。

3. 納車まで時間がかかる

キャンピングカーの需要増加により、ハイエースベースのバンコンは納車までに半年以上、人気モデルでは1年以上待つことも珍しくありません。すぐに乗りたい場合は、中古車の方が現実的な選択肢となります。

4. リセールバリューは高いが…

新車で購入すると、使用後のリセールバリューが高い点はメリットです。ただし、キャンピングカーは個別の仕様やオプションの影響を受けるため、全てのモデルが高値で売れるわけではありません。購入時にリセールを考慮する場合は、市場の動向をチェックすることが重要です。

新車は最新の装備や保証が受けられるメリットがある一方で、価格や納期、オプション費用などを考慮する必要があります。コストを抑えたい場合は、中古車の選択肢も検討するとよいでしょう。

中古のハイエースキャンピングカーはお得？

ハイエースベースのキャンピングカーは中古市場でも人気があり、比較的高値で取引されています。しかし、中古車を選ぶ際には慎重な判断が必要です。

1. 価格面ではお得なことが多い

中古車の最大のメリットは、新車よりも安く購入できる点です。特に、すぐに乗り出せる状態の車両を選べば、オプション費用を抑えることができます。ただし、年式や走行距離によって価格差が大きいため、相場を確認することが重要です。

2. 状態の確認が必須

中古のキャンピングカーは、前オーナーの使用状況によって状態が大きく異なります。特に以下の点をチェックすることが重要です。

• サブバッテリーの劣化：使用頻度が高いと寿命が短くなるため、交換が必要な場合がある。
• 水回りの状態：ギャレー（シンク）や給排水タンクの汚れや故障がないか確認。
• 断熱やシートの劣化：車内の断熱材やシートのへたり具合をチェック。

3. メンテナンス履歴の確認が必要

商用車としての耐久性が高いハイエースですが、長距離走行した個体や、メンテナンス不足の車両は故障のリスクが高くなります。定期的な点検やオイル交換がされているか、整備履歴を確認することが大切です。

4. 中古でも価格が高騰中

近年のキャンピングカーブームにより、中古車市場でもハイエースベースのキャンピングカーは高騰傾向にあります。特に状態の良い個体は新車と大きな価格差がない場合もあるため、「安いから中古」と安易に決めず、総合的に判断することが重要です。

中古のハイエースキャンピングカーは、価格を抑えつつすぐに乗れるメリットがありますが、状態のチェックやメンテナンスの手間を考慮する必要があります。購入時は信頼できる販売店で詳細な確認を行い、後悔のない選択をしましょう。

後悔しないための試乗・レンタル活用法

ハイエースのキャンピングカーは高額な買い物であるため、購入前に試乗やレンタルを活用することが重要です。実際に使ってみることで、後悔するリスクを大幅に減らすことができます。

1. 試乗で確認すべきポイント

キャンピングカーは一般の車と異なるため、試乗で細かいポイントをチェックしておくことが大切です。

• 運転のしやすさ：車体の大きさや視界の広さを確認し、狭い道や駐車場での操作性を試す。
• 乗り心地：サスペンションの硬さや座席の快適性を確かめる。
• 騒音・振動：走行中の車内の静かさや揺れ具合をチェックする。
• エンジン性能：坂道や高速道路での加速や燃費を試す。

ハイエースベースのバンコンは比較的運転しやすいですが、特に初めてキャンピングカーを運転する場合は、サイズ感に慣れるまで時間がかかることもあります。

2. レンタルで実際の使用感を確認

短時間の試乗ではわからないポイントもあるため、レンタルを活用して実際の使用感を確かめるのがおすすめです。

• 車中泊の快適さ：ベッドの広さ、マットの硬さ、就寝時の温度調整のしやすさを確認する。
• 収納スペース：荷物をどの程度積めるか、使いやすいレイアウトになっているかをチェックする。
• トイレやキッチンの利便性：装備の有無や使い勝手を試し、必要なオプションを検討する。

レンタル会社によっては、複数の車種を扱っているため、バンコンとキャブコンを比較するのも良い方法です。実際に1泊以上のキャンプや長距離ドライブを試すことで、購入後に「思っていたのと違う」と後悔するリスクを減らせます。

3. 試乗・レンタルの活用方法

購入を検討している車種が決まっている場合、販売店やキャンピングカー専門のレンタル会社に問い合わせて、試乗やレンタルの可否を確認しましょう。近年では、個人間カーシェアサービスを利用して、キャンピングカーを短期間レンタルすることも可能です。

購入前に実際の使用感を確かめることで、後悔を防ぎ、納得のいく選択ができるようになります。

何年乗れる？耐久性とリセールバリュー

ハイエースのキャンピングカーを購入する際、「何年乗れるのか？」や「売るときに高く売れるのか？」といった点は、多くの人が気にするポイントです。ハイエースは耐久性の高さで知られていますが、キャンピングカーとしての寿命やリセールバリューについても詳しく見ていきましょう。

1. ハイエースの耐久性

ハイエースは商用車ベースのため、もともと耐久性に優れています。一般的には30万km以上の走行が可能とされており、メンテナンスをしっかり行えば40万km以上走る個体も珍しくありません。

ただし、キャンピングカーとして使用する場合は、走行距離だけでなく架装部分の劣化も考慮する必要があります。例えば、以下の部分は経年劣化が進みやすいため、注意が必要です。

• サブバッテリー（寿命：約5年）
• 給排水設備（水漏れ・詰まりが起こる可能性）
• 断熱材や内装（結露や湿気による劣化）

2. リセールバリューが高い理由

ハイエースのキャンピングカーは中古市場でも人気があり、リセールバリューが高い傾向にあります。その理由として、以下の点が挙げられます。

• 需要が安定している：ハイエースは国内外で需要が高く、キャンピングカー仕様も人気がある。
• 耐久性が評価されている：故障が少なく、長期間使えるため、中古でも買い手がつきやすい。
• カスタムが可能：内装の架装がしやすく、中古車でも自分好みにアレンジできる。

特に、人気のビルダー製（トイファクトリー、ナッツRVなど）の車両は価値が落ちにくいため、高く売れる可能性が高いです。

3. 長く乗るためのポイント

耐久性を活かして長く乗るためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。以下の点を意識することで、快適な状態を維持できます。

• エンジンオイルやフィルターの定期交換（走行距離に応じて実施）
• サブバッテリーの管理と交換（過放電を避け、定期的に充電）
• 断熱材の結露対策（換気をこまめに行い、湿気を防ぐ）

長く快適に使えるハイエースのキャンピングカーですが、売却時の価値を意識して乗ることも、後悔しないための重要なポイントです。

乗り換えを考えるならどんな選択肢がある？

ハイエースのキャンピングカーを購入したものの、「もっと快適な車にしたい」「ライフスタイルの変化に合わせたい」と感じることもあるでしょう。乗り換えを検討する際は、いくつかの選択肢があります。

1. キャブコンへの乗り換え

より快適なキャンピングカーを求めるなら、キャブコン（キャブオーバーコンバージョン）が有力な選択肢になります。

メリット

• 室内高があり、大人でも立って移動できる。
• トイレやシャワーを備えたモデルが多い。
• ベッドスペースが広く、快適な就寝環境が確保できる。

デメリット

• ハイエースより車体が大きく、運転に慣れが必要。
• 燃費が悪く、高速料金や維持費が高くなりやすい。

2. 輸入キャンピングカーへの乗り換え

近年人気が高まっているのが、フィアット デュカトなどの輸入キャンピングカーです。

メリット

• 欧州基準の広い室内空間で、快適性が高い。
• 燃費が比較的良く、ディーゼルエンジンの選択肢が多い。

デメリット

• 車幅が広く、日本の駐車場や道路で取り回しに注意が必要。
• 修理やメンテナンスに時間がかかることがある。

3. 乗り換え前に中古査定をする

ハイエースのキャンピングカーはリセールバリューが高いため、売却時の価格をしっかり把握することが重要です。専門の買取業者に無料査定を依頼し、最適なタイミングで手放すことを考えると良いでしょう。

乗り換えを考える際は、次に何を求めるのかを明確にし、最適な選択をすることが大切です。

まとめ：ハイエースのキャンピングカーで後悔しないための重要ポイント